チョン・イル、彼だからこそ可能だったツンデレ・ロマンチック

俳優チョン・イルが再び“ラブコメキング”の真価を発揮した。tvN金土ドラマ『シンデレラと4人の騎士』が16話の放送を最後に放映が終了した。約2ヶ月間、視聴者の女心を揺さぶって、ときめかせた“ツンデレ・ロマンチックガイ”チョン・イルと残念ながら別れることになった。
チョン・イルは胸の内に傷を抱えたトゲトゲしいカン・ジウンを演じた。『シンデレラと4人の騎士』はカン・ジウンをはじめ、それぞれ胸の傷を持ったハヌルグループ三兄弟の前にヒロインのウン・ハウォン(パク・ソダム)が現れて、彼女によって変化する青春ストーリー。
主人公のカン・ジウンこそ劇中最も大きな振り幅で変化した人物だ。カン・ジウンはハヌルグループの孫だが、華やかな人生が嫌いでいつも空回りしていた。自身のテリトリーの中に人をなかなか入れることができないキャラクターだった。そのような彼がウン・ハウォンに出会い、真実の愛を知って変化する姿は俳優チョン・イルの幅広い表現力と彼だけの魅力を通じて完成した。
序盤にチョン・イルはトゲトゲした魅力を発揮した。彼が口癖のように「失せろ」と叫ぶたび、視聴者の女心は揺れた。ヒロインと心を通わしていく姿は“ラブコメディ”の男性主人公の王道を見せて、視聴者の目と耳をひきつけた。ここに痛みを隠した悲しい目つきは、絶妙に母性愛まで刺激した。
そうかと思えば、チョン・イルは自身が大切にする人には誰よりも親しい姿を見せた。友人であるパク・ヘジ(ソン・ナウン)を守るために努力する姿からも、家族のように過ごした兄貴分たちのために虚しい心を隠す姿はカン・ジウン役の暖かい心配りを見せるのに充分だった。
何よりもカン・ジウンが愛を知って体験した変化は、俳優チョン・イルの“胸キュン魔法”をより一層強力にした。劇中カン・ジウンは自身と似た痛みを体験したウン・ハウォンに惹かれた。そして恋に落ちた。恋に落ちたカン・ジウン、そしてそのようなカン・ジウンを演技で表現したチョン・イルはあまりにも魅力的だった。
時には可愛らしく、時には男らしかった。今までに見たことがない微笑みを見せたり、嫉妬心も隠さない姿は限りなくホットだった。不意にスッと入ってくる魅力は、様々なロマンチックコメディの作品で光を放ったチョン・イルだけの“胸キュン魔法”だった。カン・ジウンのような男だったら一緒にイバラの道でも歩けそうな魅力、これがまさに『シンデレラと4人の騎士』の中のカン・ジウンを通じて光ったチョン・イルの魔法だ。
チョン・イルは中国、タイなどアジア全域で絶大な人気を誇る。そのような彼が活発に海外活動をしている間、事前製作ドラマ『シンデレラと4人の騎士』を通じて韓国の視聴者たちと向き合った。『シンデレラと4人の騎士』を輝かせたチョン・イルの魅力が嬉しくて、彼の次の活動がさらに期待される。