韓国を拠点に活動するR&Bシンガー・ソングライターのJUNNYが、2026年9月27日、東京・Otsuka FUTUREにて待望の初来日公演を開催しました。この公演は、昨年リリースされたアルバム『null』を携えたツアーの一環として行われ、満員の観客を前に、ソングライターとシンガーの両面からその音楽世界を余すところなく披露しました。
JUNNY、東京で初のステージ アルバム『null』の世界観をライブで展開

公演はDJ DAULによる事前の盛り上げからスタート。大きな歓声に迎えられてステージに登場したJUNNYは、アルバム『null』収録の「Passion, Pain & Pleasure」「SOUR」「Energy」を立て続けに披露し、恋愛の高揚から喪失、そして再生へと至るアルバムの物語をライブで鮮明に再現しました。
「準備はいいですか?」という日本語での呼びかけから始まった代表曲「Heaven Can Wait」の演奏で、会場の熱量は一気に最高潮へ。観客は早くも代表曲の投下に大きな歓声を上げ、ライブは瞬く間に熱狂の渦へと包まれていきました。
「東京公演が実現したのは皆さんのおかげ。それにふさわしい、感謝を伝える曲を歌います」というMCに続いて披露されたのは、「Thank You」のアコースティックバージョン。観客との心の距離を一気に縮める、温かい瞬間が生まれました。
満員のOtsuka FUTUREで披露された『null』の物語
ライブはアルバム『null』の世界観を軸に展開され、録音作品では滑らかな連なりとして設計された物語が、生身の声とパフォーマンスによってより感情豊かに、立体的に蘇りました。中盤以降は「AURA」や「EARLY」のリミックスなど、アップテンポな楽曲が続き、会場全体が一体となってリズムに乗る光景が広がります。
身体を揺さぶるビートと繊細な歌声の共存
このライブで特筆すべきは、その独特なサウンドバランスです。耳元に優しく響き、肌を撫でるような繊細なヴォーカル表現の一方で、足元からはクラブミュージックを思わせる強力な低音が容赦なく鳴り響きました。柔らかな歌声と硬質なビートという、一見対極にある質感が見事に共存し、R&Bの新たな可能性を体感させるパフォーマンスとなりました。
本編の最後を飾ったのは、約8分に及ぶ大作「Weight of Time」。この曲では、シンガーとしての魅力だけでなく、楽曲をどう構築するかというソングライターとしての力量が存分に発揮され、公演の締めくくりにふさわしい深い余韻を観客に残しました。
K-POPファンにも馴染み深いソングライターとしての顔
今回の公演で彼の音楽に触れた多くの観客にとって、彼の名前は既に耳馴染みのあるものだったかもしれません。なぜなら、彼はK-POPの有名アーティストたちの楽曲提供者としても活躍しているからです。
韓国を拠点に活動する韓国系カナダ人のR&Bシンガー/ソングライター。ソングライターとしては、BAEKHYUN、NCT 127、NCT DREAM、IUなど、多くのトップアーティストへの楽曲提供やコラボレーションで知られています。自身の音楽活動と並行して、プロデューサー/ソングライターとしても高い評価を得ています。
この背景は、彼の音楽のルーツを理解する上で非常に興味深いポイントです。彼の音楽には、K-POPの楽曲作りで培われた、洗練されたメロディーとストーリーテリングのセンスが確かに息づいています。ソングライターとしての顔と、シンガーとしての顔、その両方が一体となって生まれる音楽こそが、彼の最大の魅力と言えるでしょう。
ソングライターとしての力量が光った「Weight of Time」
この二つのキャリアが最も鮮やかに重なり合った瞬間が、公演の終盤に演奏された「Weight of Time」でした。アルバム『null』の中でも特に構成と物語性を追求したこの約8分の曲は、単に歌唱力の高さだけでなく、「曲をどう構築するか」という作家としての力量にまで観客の視線を向けさせる名曲です。
観客はまず、彼の滑らかで感情豊かなヴォーカルに引き込まれます。しかし、曲が進むにつれ、緻密に計算された楽曲構成、感情の起伏を描く展開の妙に気づかされます。これは、他者のために楽曲を書くソングライターとしての経験が、自身の表現においても存分に活かされている証と言えます。
この公演は、K-POPファンにとって、普段聴いている楽曲を支えるクリエイターの一人が、どのような音楽性を持ち、どのようにステージで表現するのかを直接体感できる貴重な機会となりました。裏方としてK-POPの音楽シーンを支え、表舞台では自らの音楽で新たな境地を切り開く。その二つの活動が一つのステージ上で完結した、特別な一夜だったのです。
ライブで体感するJUNNYの音楽性 親密な声と身体性の往還

今回の公演では、JUNNYの音楽が持つ二つの魅力が余すことなく提示されました。耳元に寄り添うような親密な歌声と、フロアを揺らす身体性の強いビートが、一つのステージ上で絶妙に行き来したのです。
公演中盤、彼は日本語で感謝の言葉を述べ、「Thank You」のアコースティック・バージョンを披露しました。マイク一本で響く彼の歌声は、R&Bが長い歴史の中で磨き上げてきた「肌を撫でるように響く声」そのものでした。観客一人ひとりに語りかけるような親密さが、会場全体を包み込みます。
しかし、その直後からステージの空気は一転。「EARLY」のアウトロ・リミックスでは、ビートの強度が急激に増し、低音が床からフロア全体を揺さぶり始めました。JUNNY自身も大きく身体を揺らし、観客と一体となってリズムに身を委ねます。続く人気曲「AURA」では、鋭く刻まれるハイハットと、そこに滑り込む甘く柔らかい歌声の対比が鮮烈。硬質なビートと柔らかいヴォーカルの質感の差がぶつかるたびに、楽曲の官能的な魅力が増幅されていきました。
- 「Thank You」アコースティック・バージョン:ストリップダウンされた編成で、彼の歌声の本質的な親密さと情感が際立つ。
- 「EARLY」アウトロ・リミックス:ビートが最大限に強化され、クラブのような高揚感で会場を一体にする。
- 「AURA」:鋭いリズムとスウィートな歌声の対比が、楽曲の持つ官能的な世界観をライブで再現。
このように、セットリストは「聴く音楽」としての繊細さと、「身体で感じる音楽」としての躍動感を巧みに往復する構成になっていました。観客は、静かに耳を澄ませる時間と、思わず体を動かしたくなる時間の両方を体験できたのです。一つの公演の中でこれら二つの楽しみ方を提供する構成力こそ、ソングライターとしての経験が生んだ、彼ならではのライブデザインと言えるでしょう。
韓国R&BシーンにおけるJUNNYの位置づけと今後の活動に期待
今回の公演を終えたJUNNYは、韓国を拠点に活動する韓国系カナダ人のアーティストです。彼はソウルを中心に音楽活動を展開しながらも、グローバルな感性を積極的に取り入れたサウンドメイクが特徴で、近年の韓国のR&Bシーンにおいて重要なポジションを担っています。
彼の音楽性はR&Bを軸にしながら、ヒップホップやポップなど多彩なジャンルを横断します。滑らかで感情豊かなボーカルと、洗練されたプロダクションセンスを兼ね備えている点が高く評価されており、その活動は韓国国内にとどまらず、世界中のリスナーから支持を集めています。このように、グローバルなR&Bシーンにおいても存在感を高め続けるアーティストなのです。
初の来日公演となったこの日のライブは、彼のキャリアの両面を凝縮した内容でした。ソングライターとして他者の楽曲を手がける「裏方」の仕事と、自らの声で感情を表現するシンガーとしての「表舞台」。この二つの顔が、一つのステージ上で見事に融合していました。
ライブレポートの筆者も、新たなアルバムを携えての再来日を強く期待しています。
今回の公演が成功を収めたことで、日本での彼の知名度と人気はさらに高まったことでしょう。ソロアーティストとしても、そしてK-POPを支えるソングライターとしても、今後も活躍が期待される存在です。彼の音楽が持つ親密さと身体性、そして高度な作曲力は、韓国R&Bの「現在地」を体感させるものでした。次に日本を訪れる日が、待ち遠しくてなりません。
JUNNYをもっと知るための情報
素晴らしい初来日公演を終えたJUNNY。彼の音楽に触れたことで、もっと詳しく知りたくなったファンの方も多いのではないでしょうか。ここでは、今後の活動や作品をチェックする方法と、K-POPファンが親しみやすいおすすめの聴き方をご紹介します。
JUNNYの最新情報は、公式SNSや公式サイトで随時発信されています。来日公演や新曲リリースの情報は、これらのチャネルでいち早く確認できます。ライブの模様やアーティストの素顔に触れることができる動画コンテンツも多数公開されているので、フォローしておくと推し活がより充実することでしょう。
また、今回のツアーの基盤となったアルバム『null』をはじめとする彼の楽曲は、主要な音楽配信サービスで聴くことができます。アーティストとしての一面を存分に味わいたい方は、まずは『null』から聴き始めるのがおすすめです。
K-POPファンがJUNNYに親しむためのおすすめ楽曲
JUNNYは、自身のソロ活動だけでなく、多くの有名アーティストへの楽曲提供やプロデュースでも知られています。そのため、K-POPファンにとっては、馴染みのあるアーティストの楽曲から彼の音楽性の一端に触れることも可能です。
- ソロアーティストとしての魅力を感じたい方には、今回のライブでも披露された代表曲「Heaven Can Wait」や「AURA」が入り口として最適です。
- K-POPの楽曲からアプローチするなら、彼が携わった作品を探してみましょう。ソングライターとしての顔を知ることができます。
- ライブで体感した「親密な歌声」と「身体を揺さぶるビート」の両方を味わいたい方は、アルバム『null』を最初から通して聴くことをおすすめします。
このように、ソングライターとシンガーという二つの顔を持つJUNNYの音楽世界は、多角的に楽しむことができます。今後の来日公演や新作リリースに備えて、公式SNSをフォローし、彼の音楽の旅路にぜひご一緒ください。
