【インタビュー】およそ2年の時を経て、ZEUS、本日ファーストシングルとともに降臨!

「会えるチワワ系韓国アイドル」として日本で活動し、メンバーの兵役のため2015年に惜しまれつつ解散したグループ「SHU-I」。その元メンバーのインソク、チャンヒョン、ミンホの3人が、新グループ「ZEUS」(ゼウス)として帰ってきた! 3人とも無事に兵役を終え、元気な姿で芸能活動を再スタート。

今日、ZEUSとしてのファーストシングル「Thunder/Re Smile」もリリースした。

 厳しい軍隊生活を乗り越えて、以前より少し大人びて精悍な顔つきになった3人だが、取材部屋に現れると自ら進んでスタッフたちにお茶を入れてくれるなど、優しい気配りは相変わらず。2年半ぶりの日本のファンとの交流を楽しんでる ZEUSの3人に、新グループ結成のこと、軍隊生活のこと、これからの活動への想いを聞いた。

——今はファーストシングル「Thunder/Re Smile」発売に向けて、インストアイベントなどで各地を回っているところですが、久しぶりの日本のファンの反応はいかがですか?

インソク:ほぼ2年半ぶりに皆さんに会って新曲を歌ったりしてるんですけど、見に来てくださる人数がどんどん増えてきて、すごく幸せな日々を過ごしています。

チャンヒョン:3人になってからはちゃんとライブもしてなかったし、しばらく軍隊に行ってたので不安だったんですけど、ファンの方が「お久しぶり」とか「おかえり」と言ってくださって嬉しいです!

ミンホ:サイン会や握手会で2年半ぶりにみんなに会えてるんですけど、6年ぶりに来てくれてた人もいるんです。

インソク:3年前は来なかったのに、なんでかなぁ(笑)。

ミンホ:この3人がどう活動していくのか、たぶん気にしてくれてるんだと思いますね。3人のバランスはどうかな?って。それで、あんまり良くなかったら、もう来てくれないかも?

——だとしたらプレッシャーですね…。

ミンホ:プレッシャーを楽しむタイプなので。

チャンヒョン:イベントは雰囲気がすごくいいんですよ。

ミンホ:オープンステージで歌うこともあるんですけど、僕たちのライブに足をとめてくれて、最後まで見てからCDを予約してくれる人もいるんです。めっちゃ嬉しいですね。

インソク:僕は泣きました。心の中で。

ミンホ:ホントに泣いたら歌えなくなるからね。

インソク:目も赤くなるし、鼻水も出るので、心の中で。

——「Thunder」と「Re Smile」を聴かせていただきましが、大人っぽい仕上がりですね。

インソク:前とはちょっと違いますね。可愛いところを見たいと言ってくれる方も多いんですけど、これからは大人として、ちょっとカッコいいところを見せていきたいです。

——実際、皆さんの姿を久しぶりに拝見して、随分大人っぽくなられた感じがします。

ミンホ:自分では分からないですけど、兵役の影響もちょっとあるんじゃないかと思うんです。

——改めて、2015年末にSHU-Iを解散したあと、まず新グループを結成してから、すぐ入隊されました。グループを保留しておき、除隊後しばらくしてから再始動…というケースはありますが、皆さんは珍しいパターンでしたね。

インソク:そうですね。たぶん、僕たちしかないと思います。

チャンヒョン:もう1年活動してから入隊することもできたんですけど、早く軍隊に行って、早く戻ってきて、ずっと3人で活動するほうがいいんじゃないかなと話しをしました。ただ、ファンの皆さんにはちょっと時間が長いじゃないですか。だから、待っていてくれる間にも僕たちを見てもらえるように、最初にZEUSのサイトをつくってから入隊したんです。

インソク:言葉だけで「戻ってきます」と言っても、僕たちも、ファンの皆さんも不安になるかもしれないから、新しいグループをつくって「約束」をした感じですね。

——入隊前、最後に3人でご飯を食べたとき、どんな会話をしたのか覚えていますか?

ミンホ:2人はほぼ魂がなかったです。(※インソクとチャンヒョンがひと足早く入隊)

チャンヒョン:そうですね。僕、記憶がない。軍隊の中で何をするのか知らなくて心配だったし、ファンが待っていてくれるかなという心配もあったし。いろいろ考えて…(2人に向かって)何を話したっけ?

インソク:“死んだ魚の目”、知ってますか? そういう状態でした。ソウルでトップ3に入る美味しいお肉屋さんで食事したんですけど、味がしなかったです。

ミンホ:でも、話自体はポジティブだったんです。この兵役という壁だけ乗り越えれば、これからもう邪魔はないって。前向き!

——兵役中も、除隊後の芸能活動への不安は消えなかった?

ミンホ:消えなかったですねー。ずっと。

——その不安な気持ちをどう乗り越えたの?

インソク:ファンの皆さんからの手紙が大きかったですね。

チャンヒョン:手紙ももらったし、休暇中はケータイを持てるので、SNSで皆さんからメッセージをもらいました。待ってくれるファンが少しでもいることが、僕たち的にはすごく大事だったです。

——兵役中に3人がお互い連絡を取りあうことは?

インソク:ほぼできなかったです。

チャンヒョン:ケータイはないけど、1週間に1回、1時間ぐらいネットができるんです。3人でメーリングリストをつくって、それでやり取りしていました。

インソク:メールで連絡してた理由は、除隊したらすぐ活動できるように会議しなきゃいけないので、休暇のタイミングを合わせることが大事だったからなんです。

チャンヒョン:主にそれが目的だったんですけど、たまにインソクが「みんな大変だけど、我慢したら、日本でまたすぐ活動できるからね」って応援してくれて、力をもらいました。

ミンホ:リーダーなんで!

——3人とも配属先はばらばらだったんですよね?

3人:ばらばらです。

——皆さん陸軍だったのですか?

インソク:みんな陸軍で、(ミンホは)新兵を教育する施設に配属されました。

ミンホ:教官をやってたんです。

——すごいですね。

ミンホ:いやいや、すごくない。…ちょっとすごいです。

(一同・笑)

ミンホ:賞をいっぱいいただいて、けっこう優秀だったんです。

——がんばったんですね!

ミンホ:がんばりました。僕はほんとに、軍隊の生活に後悔がないです。

——インソクさんとチャンヒョンさんはどちらに?

チャンヒョン:僕とインソクは38度線、北朝鮮に近いところに配属されました。

——やはり38度線に近い部隊は、訓練も厳しいのでしょうか?

インソク:部隊によって役割が違うんです。たとえば、タンクに乗る部隊もあるし、銃をメインに訓練するところもあるし。僕は山を守る部隊だったんです。その山を越えると、すぐソウルです。

チャンヒョン:大事なところですね。

インソク:ソウルに近いからいつも緊張感があって。それが大変だったです。

——チャンヒョンさんは?

チャンヒョン:インソクは山だったんですけど、僕はダム。北朝鮮から流れてくる大きい川があるんですけど、そのあたりにいました。雨が降ってきたら、ずっと見ていなきゃダメなんです。

——肉体的にも、精神的にもしんどいですね。

ミンホ:でも、終わったんですね…。ああ、終わった…(と、目をつぶる)。まだ嬉しいです!まだ3、4か月しかたってないんで。

——精神的な面でお互い以前より成長したなと感じる部分はありますか?

チャンヒョン:あるかなぁ…。

ミンホ:僕たちはある程度年齢がいってから兵役に行ったので、そんなに変わってないです。もし二十歳ぐらいだったら変わったかもしれないけど。

インソク:でも、何かを我慢する力は強くなったんじゃないかと思います。我慢することって大事じゃないですか、人生。

ミンホ:何があっても兵役よりは弱いから、乗り越えられる!

インソク:あれを超えるものは、たぶん死ぬまでないと思います。

ミンホ:僕たちにとっては…ですね。他の人は分からないですけど。僕たちにとっては、ファンの前に立てないし、歌えないし、踊れないし、そういう状況よりツラいことは他にないかなと思います。

(インソクとチャンヒョンもうなずく)

——でも、兵役の2年間があってよかったと思いますか?

3人:思います!

ミンホ:でも2回はいいです、1回で大丈夫(笑)。

チャンヒョン:言葉で言うのは難しいけど、行ってきたら、やっぱり「男は1回は行ってきたほうがいい」って思います。きっと、どれだけツラいことがあっても、兵役のことを考えると全然大丈夫。

インソク:入隊前はわからなかったんですよね。

——自分たちとは違う夢や背景を持ってる人と一緒に過ごした2年間だったと思います。いろんな人の考え方に触れて、除隊後の芸能活動について「これでいいのかな?」と心が揺れたことは?

3人:それはなかったです。

インソク:グループを結成してから入隊したので、除隊してからも絶対にやろう!という気持ちが3人ともあったから、そういう誘惑はなかったですね。

チャンヒョン:僕はたまに3人で会って会議してたのがよかったと思う。入隊する前は、『ファンは待っていてくれるのかな』という心配があったんですけど、たまに3人で会ったら、『これで行くしかない!』という気持ちになった。

ミンホ:軍隊には二十歳くらいで入る人が多いんですけど、僕たちの悩みは、若い人たちに比べたら少なかったかもしれない。僕たちにとっては『また活動ができるのかな?』というのが悩み。僕のまわりにはミュージカル俳優の人や、有名な俳優が多かったんですけど、活動ができるかどうかという前に、「また俳優になれるのか」という問題で悩んでいたから、むしろ僕たちが相談にのってあげていました。

チャンヒョン:僕たちは活動を「やる」って決めてたじゃないですか。でも、他の人たちは、軍隊が終わったら何をしたらいいのかと心配してた。僕はだいたい「自分がやりたいことを先にやったほうがいい」って言ってあげていました。

——若い人の良い相談相手になってあげられたんですね。日本語が相変わらずお上手ですが、日本語の勉強もずっと続けていたのですか?

インソク:3人とも、ファンから手紙をいただいて、それを読みながら勉強しました。

ミンホ:インソクは日本語で日記も書いてたから、エライですね。

チャンヒョン:軍隊の中で本を読む時間を1時間ぐらいもらえるんですけど、日本語の本を買って入って、ちょっとでも勉強したのがよかったのかなと思います。

——除隊後、歌とダンスの感覚はすぐに取り戻せましたか?

ミンホ:除隊してからスタジオを借りて、新しい振付を練習していたら、ちょっとずつ感覚が戻ってきました。

インソク:一応みんな筋肉はついてたから。軍隊の中で運動するから、その筋肉がたぶん役に立ったんじゃないかな。

——SHU-I時代のダンスとZEUSのダンスはどんなところが違いますか?

インソク:動きがちょっと激しいっていうか、力を入れないとブレやすい振り付けが多いです。体の中心をちゃんととることが難しい動きだから、鍛えなきゃいけないんです。

ミンホ:SHU-Iのときはジャズっぽい振り付けが多くて、きれいな線が大事だった。

インソク:いまはチャッチャッチャッなんで。(と言いながら、キレのある腕の動きを披露してくれるインソクさん)

チャンヒョン:それ、あとで(録音)聞いてもわからないから(笑)。

インソク:力の入れ方とか、使い方とか、まったく違います。SHU-Iのときは爽やかで滑らかな振り付けだったけど、今は強い感じ。シャープな動きが多いです。

——SHU-Iのときは可愛い「チワワ系アイドル」というキャッチフレーズで活動していましたが、新しい3人はどういうイメージでやっていきたいですか?

インソク:曲調もそうですけど、衣装やジャケット写真とかいろんなことを含めて見たとき「大人」というか、高級感があって紳士的な路線に行きたいですね。自分たちの口で言ったらアレかもしれないけど。

——公式サイト(https://zeus3.net/)のSTAFFコラムを読むと、「伊勢丹メンズ館みたいなイメージ」っておっしゃっていたそうですね(笑)。

インソク:そうです、新宿の。

——確かに、ものすごくイメージしやすい…。

ミンホ:間違いないです。

インソク:原宿じゃなくて、伊勢丹メンズ館。これからはそういう路線でいきたいです。

——新曲のお話をうかがいます。カップリングのバラード「ReSmile」の歌詞からは、久しぶりにファンの皆さんに会えて嬉しいという3人の強いメッセージが込められていますね。

インソク:僕たちが使いたい言葉や考えてを書いて、作詞家さんと一緒に考えてできた歌詞です。

チャンヒョン:ひとりひとり、自分が本当に考えていることを日記みたいに書いてからつくりました。

——では、「Thunder」のほうはどういうコンセプトですか?

ミンホ:ZEUSって雷がシンボルなので、「Thunder」はこれからの僕たちの意気込みを込めました。やっぱりゼウスとしてのファーストシングルだから、いい曲でもテーマがなかったら印象に残らないので。

——初めて楽曲を聞いた時の気持ちは?

ミンホ:今まで僕たちがやったことのない曲調だったし、最初は3人とも耳が慣れてなかったから「できるかな…?」と思ったんですけど、僕たちの方向性を考えたら、間違いないなと思います。

——最後に、今後日本でやっていきたい活動や夢を教えてください。

インソク:やっぱり、日本全国まわりながらライブできたらいいなと思います。

チャンヒョン:インソクのいちばん大きい夢はドームツアーで、いろんなところでライブをやりたいっていつも言ってるんですよ。

ミンホ:僕たちZEUSだけのスタイルを固めたいですね。特徴のある音楽をやっていきたいです。

チャンヒョン:一番近い目標としては、「SHU-I」って言ったら少しは知ってもらえているんですけど、その中の3人が「ZEUS」になったことはまだあまり知られてないので、それを皆さんに知ってもらいたいですね。

インソク:そうですね。たくさんの方に愛されるグループになりたいです。日本語ができることもそうだし、今まで日本でやってきた経験もあるので、韓国と日本の架け橋になれたらいいと思います。

とにかく、待っていてくれるファンのために…。
3人のそんな強い想いが随所に感じられたインタビュー。アイドルとしても、人間としても、一回り大きくなった彼らの今後の活躍にぜひ注目してほしい。