FTISLAND「悪口という悪口を全て浴びて負けん気が生まれた」

人気バンドFTISLANDがニューアルバム『Where’s the truth?』を発表して進行されたインタビューでイ・ホンギは「今回の曲(「Take Me Now」)は100位内に入れないと思う。なぜかこういった歌が(チャートに)入ったことがない。歌番組でもこういう歌を歌った人がいない。でもそれがまたクールじゃないですか?」と話した。それで人気に執着せず音楽をするという意味かと尋ねると、すぐに「僕たちはまだ人気がある!」とかっと怒った。
FTISLANDが全曲作詞作曲に参加したアルバムをリリースするのは、昨年に発表した『I Will』に続いて2度目だ。誰かは2007年にデビューして今年10年目を迎えたバンドが、自ら作ったアルバムが2枚だけだと皮肉ったりもする。そしてFTISLANDもこれに対しては言いたい事が多い。
イ・ホンギは「8年間何も分からなかったというのはありえない。正確に話せばデビューする時(デビュー曲「恋煩い」)あんなにうまくいくとは思わなかった。そうしたら次の曲もその延長線に行って、僕たちがしたい歌ではないから苦しかったが、それが続いていくというような形だった」と自分たちが願う音楽を始めるのに長い時間がかかった理由を説明した。
イ・ジェジンも「本当にやりたくなかったが、うまくいく(継続する)ことがとても多かった」と付け加えた。
実際にイ・ホンギは会社とのこのような意見衝突のためSNSに不満を表出したし、自然とファンたちもここに反応を見せた。
イ・ホンギは「僕たちは日本では僕たちが作った音楽をした。そして(韓国ファンたちも)その音楽を聴いてみると、僕たちが作った音楽を望んだ。そして遂にはファンたちがボイコットをした」と笑った。
引き続きイ・ジェジンは「代表も(僕たちの音楽の作曲を)たくさんしたが、以前の音楽スタイルを変えたくなかったようだ。ところが今回はファンたちが確信を与えるようだ。(ファンたちが)メッセージを伝えて僕たちの音楽ができるようにしてくれた」と自分たちの音楽を始めるのにファンたちが大きな力になったことを知らせた。実は今でこそ笑って話すが、FTISLANDは自分たちが直接作ったアルバムが出る前まで“アイドルバンド”というフレームの中に閉じ込められ、8年が過ぎるまであらゆる嘲りと皮肉の対象にならなければならなかった。
FTISLANDも人間である以上ストレスになるのが当然で、特に会社に対する露骨な不満表出もはばからないイ・ホンギの性格なら、とっくに辞めても何もおかしくないほどだ。これに対しイ・ホンギは「苦労したのは指で数えきれない。止めようとしたことも多かった。『なぜ僕がこんなに非難されてこれをしなければならないのか』という気がした」と打ち明けた。引き続き彼は「負けん気が強い。『そこまで悪口という悪口を全て浴びてここまで来たんだから』という負けん気が生まれた。そうしたらもっと開きたい扉も多くなっていった」と10年目のバンドになるまで耐え抜いた理由を明らかにした。チェ・ミンファンも「初めは演奏ができるのか、次は曲を書けるのか、そういう話がひとつずつ出てきた。しかし僕がアルバムをリリースしたのが高校1年の時だ。韓国で高校生の時にアルバムをリリースする人はあまりいない。実際に見たら僕たちも甘ちゃんではないという事を見せてあげたい。最近はそのような話(中傷)を聞けば、僕たちの公演を一度観に来いと言う」とFTISLANDに対するプライドを表わした。
イ・ホンギの表現を借りるとすれば“そこまで悪口という悪口を全て浴びてここまで来る”苦労を体験して、FTISLANDが得たものもある。バンドに対する認知度がそれだ。結果的に現在韓国でFTISLANDという名前を知らない人はさほど多くない。そしてFTISLANDもこれを十分に利用するつもりだ。
イ・ホンギは「幼い頃に大衆性が強い音楽をしてきたのが事実だ。他の見方をすれば、認知度や人気を得るためにはそれが正しいが、正直僕たちがしようとする音楽とはかけ離れていた。ところでそのような(大衆性の強い)イメージがずっとあった。もうそのままそれを利用して僕たちの音楽をして、韓国にこのようなバンドがあるということを見せようと思う。それで本当に僕たちの世界観を探そうと思う。これが僕たちの宿題だと考える」と明らかにした。
それならばFTISLANDがしたい音楽とは何だろうか。まだ明確にどんなジャンルのどんなスタイルの音楽だと定義する程の標本は不足するが、ひとまず「Take Me Now」はEDMとハードロックサウンドを結合したトランスロックに近い音楽を聴かせている。
イ・ホンギも正確なジャンルが何だと定義していないが「今回はリズミカルで強いサウンドがあるものをしようと思った。ロック的な要素で弾けるような歌を歌いたかった」と明らかにした。引き続き「正直に言って他の見方をすれば、音楽は100%完成する事はできないと思う。ずっと挑戦してみて、僕たちが上手く出来ることをする。幼いころから話してきて、幼稚なんだけど…カメレオンになりたい」と今後もさらに変化の激しい音楽を試みることを予告した。
「Take Me Now」と関連して、またひとつ面白い事実はドラマーチェ・ミンファンの満足度が唯一高いということだ。実際チェ・ミンファンは「実はドラムが目立つところがあまり多くなくて僕を見せる機会がなかった。ところがこのような音楽をしていれば出てくるので、最近はドラマーをやってきて良かったという気がした。小学生の時からひたすらドラムばかり叩いていたが、なかなかお見せできず残念だった。家でひとり泣いたりしていた」と冗談半分本気半分のエピソードを打ち明けて笑いを誘った。
FTISLANDがじわじわ自分たちの音楽を始めると、すぐに彼らに対する認識も変わってきた。イ・ホンギは「昨年から男性ファンがたくさん増えた。それだけでもものすごい変化だ。今ファンたちと一緒に喜んで楽しんでいる。ロックの知識も多くて公演会場を見ると気分が良い」とファン層の性比に変化が起き始めたと明らかにした。さらに彼は「インディーズシーンで僕たちは別に好かれていなかったが、前作『I Will』はそちらでも良いと言われた」とアンダーグラウンドバンドシーンででも自分たちを見る目が変わっていることを知らせた。最後にイ・ホンギは「この前タフなスタイルの音楽をしたので、今回は他の音楽をするという予想も多かったが、イメージを強く植え付けるためにまた強い音楽をした。これは僕たちの中では歴史だ」と今から本格的なFTISLANDの新しい歴史が始まっていることを宣言した。
共にチェ・ジョンフンは「クギ打ちに例えるなら、この前のアルバムはクギを半分ぐらい打ったもので、今回のアルバムは完全に打ちこんだと言える」ととても粋な比喩で今回のアルバムに対する意味を付与した。