ソンフン「ソ・ジソブやヘンリーと別れたことが、女優と離れるより辛い」(インタビュー)

「僕が演じた全てのシーン、僕が引き受けた役割を全て演じ切り、記憶に残る俳優になるべく努力する」
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暖かな冬を作ったKBS2ドラマ『Oh my Venus』のソンフンに会った。ドラマから飛び出してきたような彼はまだキャラクターから抜け出せていないと言った。ソンフンは『Oh my Venus』でUFCチャンピオン チャン・ジュンソン役を演じた。チャン・ジュンソンは養子縁組という心の傷を持つ人物。ソンフンはチャン・ジュンソンを重厚感たっぷりに表現した。

◆『Oh my Venus』ストイックな男チャン・ジュンソン
ソンフンは『Oh my Venus』のために苛酷なダイエットをした。体重を減量しなければならないキャラクターだったため精魂を込めた。「大変じゃなかったか」という質問にソンフンは首を横に振って「俳優が作品のキャラクターに合わせるのは当然だ」と愚問賢答をした。

「1日に1食だけ食事をしました。1食以外はバナナやさつまいもなどを食べました。このように食べるだけでも有難いと感じました。食べれば食べただけ、食べなければ食べないだけ体重が変わるタイプですから。一番落ちた時は6kgくらい落ちたと思います。」

総合格闘技UFC選手役のため怪我の危険はなかったのだろうか。ソンフンは肩を脱臼したと明らかにした。「1話に外国人と戦ったシーンを撮って肩が脱臼しましたが、撮影に支障を来すかと思って話をしませんでした。ところがある日、台本に僕が肩を怪我したという設定がされていました。事務所社長が作家の先生や監督と話したのかと思いましたが違いました。単なる偶然でしたが不思議でした(笑)。」

見るからに体育大出身で無愛想だと思ったソンフン、演技をしながら苦労はなかったのだろうか。「僕は個人的に酒を楽しんでも歌ったり踊ったりする性格ではないので、帰ってきたソ・ジソブのために踊って歌ったシーンが本当に大変でした。自然に表現しようと努力しました。」

先立って話したように、ソンフンとソ・ジソブ、ヘンリーが形成した“男同士の友情”は、このドラマを観るポイントのひとつだった。各自のキャラクターが違って親しくなれなさそうだと思ったが、誰よりも仲良く可愛い3人が作ったケミストリーは興味深かった。「男同士の厚い友情を演じて中心を持っていかねばならないという考えが大きかったです。ヘンリーはカラーがあって、ジソブ兄さんは主人公としてロマンスを担当して、重量感や色々な姿を見せねばならなかったんですよ。その中間をうまく生かそうとたくさん悩みました。僕も僕たちの友情演技が面白かったと思います。ロマンス演技を長期間した女優よりも、男同士の友情を描いた兄弟たちと別れることがとても残念でした(笑)。」

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◆2016年、大人気が出る
体育大生であるソンフンは、イム・ソンハン作家のドラマ『芙蓉閣の女たち~新妓生伝』を通じてデビューした。新人俳優をキャスティングすることで有名なイム作家の目によって選ばれた。本当に何も分からなかったソンフンは、ドラマを撮影して演技を学んだと打ち明けた。
「水泳をやめて演技がしたくなりました。演技は個別にレッスンを受け、ずっと受けなければならないと考えた瞬間に初めての作品が入ってきました。経験を積もうという考えで『芙蓉閣の女たち~新妓生伝』のオーディションを受けましたが、突然受かったのです。」
驚くべき事実は、ソンフンが昔受けていた演技指導の講師が『Oh my Venus』で共演した俳優チェ・ジノであること。チェ・ジノは劇中ミン・ビョンウク秘書役を担って熱演した。「(チェ・ジノと)会えて本当に嬉しかったです。こんなに会うのが難しいのにね。死ぬまでに先生とまた共演できたらいいですね。」

ソンフンは今まで着実にフィルモグラフィーを積んできた。特に昨年は自身が話した通り目が回るほど忙しかった。『Oh my Venus』だけでなくKBS2バラエティ番組「ホドンの芸・体・能(イェ チェ ヌン) ~めざせ!ご当地スポーツ王~」(以下「芸・体・能」)水泳編にも出演したためだ。ソンフンは馬車馬のように仕事に打ち込んだ理由に対して「長く休んだこともあるが、そうしてみると休むこともうんざりしました。休む時間があれば1作品でも加えるべきだと思いました。僕ができる役なら何でもすると事務所にも話した」と話した。
ソンフンは今年も疾走を止めない計画だ。すでに次回作も決めた。KBS2週末ドラマ『お願い、ママ』の次に放送される『子供が5人』に出演する。彼は今回、“ゴルフ選手”に変身する。「芸・体・能」出演はもちろん、UFC選手に続きゴルフ選手役を担ったら、イメージが固まるという憂慮もあるはずだ。ソンフンは「もちろん心配はあるが、演技的に新たな姿を見せれば良い」としながら力強い覚悟を固めた。

「ジュンソン役は常に真剣でなければならなくて、中間で中心を捉えるためには押してあげる必要があったとすれば、『子供が5人』のサンミンはそんなことをしなくても、やりたいことを全てするキャラクターです。根も葉もない自信家のナルシストで、少し裕福な家庭だと聞きました。相手役がシン・ヘソンさんですが、まだお会いできませんでした。身長が低いと思ったのですが、背が高いと聞いて驚きました。」

俳優としてソンフンは欲張りな完璧主義者だ。彼は自分の演技に対して「50点」という点数を付けて、「毎回作品に出演する時、穴が見えます。僕に対する評価を冷静にして、自己満足度が高くありません」と話した。「毎作品、最善を尽くしたが至らない」と話すソンフン。これがまさに彼が焦らず目標へ向かって着実に走って行く理由だ。今年ソンフンが大人気俳優になれるか期待する。

「今年は何が何でも僕が演じた全てのシーン、僕が引き受けた役割を全て演じ切り、記憶に残る俳優になるべく努力します。視聴者の方々から良く見られたら嬉しいですね。良く見られないといけませんよね。それでこそ次の作品の機会も生まれるからです。熱心にして上手にしようと努力するので、見守って下さればと思います。」