MBLAQイ・ジュン「誰かの代わりに生きるわけではないから」

身長は高くないが気丈だ。

引いてしまうほど筋肉質なのではなく、女性たちがちょうど喜ぶ程度の整った体を持つ。大きな目鼻立ちは似合わない。笑えば半月型の目になる微笑みが魅力的な人物、MBLAQ(エムブラック)で活発に活動して国民にしっかり認識されている歌手イ・ジュンは今や俳優だ。

アイドルらしく活気にあふれている。いつも笑顔で不満もなく、水が流れるように大人しく過ごすが、それでも言うべき話は全てする。殺人的なスケジュールでも全てに最善を尽くす姿が、見る人を自ずと笑顔にさせる。見れば見るほどなかなか良い男だ。保障のないイ・ジュンに『俳優は俳優だ』(キム・ギドクフィルム製作)を任せたシン・ヨンシク監督と、製作者キム・ギドク監督の気持ちが少しは理解できる。

イ・ジュンが『俳優は俳優だ』で演じたオ・ヨンウンは、人間がどこまで堕落するのか見せる極端な人物だ。「俳優は演技さえ上手くすれば良い」という初心をあざ笑うように、あらゆる汚い誘惑に本質を失って染まってしまう弱気な人間を描く。底辺から始まって頂上に上がるが、甘みに陥ってさ迷い凄惨に捨てられる苦々しいキャラクターだ。

混乱と混沌、外れて反抗しなければならなかったオヨン役のため、イ・ジュンは思う存分曲げられてやつれた。敏感になっていたし、周辺から来る他意的なストレスも相当なものだった。心が凍りつくほど寒かったイ・ジュンとオヨンだ。

「当時僕の難しい状況をオヨンに投影しようとしたわけではありません。集中の違いだと見ていただければいいですね。もちろんある程度の影響は受けたと見ます。俳優自身が感じた経験から演技を見せるからです。中立を守ろうと努めたし、もう少し大人っぽく対処しようと努力しました。」