ヒョンビン、カリスマのある真の男

3年前ヒョンビンは俳優として最も人気が出た時に突然入隊し、大衆を驚かせた。

軍生活がヒョンビンにとって肯定的な休息期になったようだ。「軍隊で良い情熱を多く得た」というヒョンビンは「演技から完全に抜け出した空間で俳優として生きてきた日々と、演技をしながら過ごした20代を注意深く振り返りたかった」とした。

3年間の“休息”を終わらせて帰ってきたヒョンビンは、復帰作でイ・ジェギュ監督の『逆鱗』を選んだ。

-初めて挑戦した時代劇だが、最も難しかった瞬間はいつだったか。

=言葉と行動に制約が多かった。王の役だから落ち着いていて謹厳な態度で、歩みもしっかり、言葉もしっかりしなければならなかった。話す時に手ぶりをしたいが、動きも自制しなければならなかった。セリフのトーンとニュアンスに対して監督、音声さんとかなり話し合った。監督は時代劇だからといって特別に変わったトーンにこだわる必要はないとおっしゃった。王といえば普通なら謹厳で低い声色を想像するものだが、正祖は王であっても映画ではせいぜい26歳にしかならない青年だ。それならば、1年目の王として表現できることは何かと悩んだ。

-3年ぶりに撮影現場に入った感想は?

=軍隊にいる時からもの凄く待った瞬間だった。今まで撮影現場で感じた幸福感や俳優としてカメラの前に立つ喜びに対して少し鈍ったようだ。僕には職業なので、ただ演じてきたが、それが実際にできなくなると退屈に感じた。初めて撮影した時を思い出す。非常に期待したし、ものすごく緊張した。「これはどうすべきか、あれはどうすべきか」と、どぎまぎした。夜明けに英祖(第21代目の王)の御真(王の肖像画)にご挨拶しに行くシーンが初めてのシーンだった。挨拶したら、復帰した気がした。

-シナリオの『汗をたっぷりかいた細密な背中の筋肉。完璧だ』というこの一文のため、たいへん苦労したと聞いた。正祖のアクションシーンは多くないが、武芸が自然と体に染みついた王を表現するためにも、体作りには非常に精魂を込めたようだ。

=王ならば良い食べ物を食べただろうし、あまり動くこともなかっただろうと考え、必ず体が良くなければならないのかとかなり悩んだ。しかしこのシナリオの中の正祖ならば十分にそうしてあまりあると考え、体作りを始めた。セリフ以前にこのキャラクターを表現できるひとつの方法という気がした。製作報告会の時(司会を担当した)パク・ギョンリムさんが「背中で物語ろうとする」と表現したが、本当にそのように願った。

-『逆鱗』以後の歩みは?

=今でもシナリオを見ている。性格的に心から気に入る作品でなければならないが、まだそのような作品を探せていない。120%、130%やり遂げたい気持ちが強く、常に撮影前にバージョンを2〜3個ずつ準備して行く。それでもOKサインを得たらまた違うアイディアが浮び上がる。毎度「あぁ、残念だ。ここはこうすれば良かった、ああすれば良かった」と思う。そのような物足りなさがもう少し減る時が来れば、以前のインタビューでも話したように『真実の行方』の、エドワード・ノートンのような多重人格者役をしてみたい。20代はじめに『アイルランド』でボディガード役を演じたが、40代になってボディガード役をしたらどうかとも考えてみる。してみたいことが多い。やったことがないものの方がもっと多いから(笑)。

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