パク・シネ、「韓流スター?私の夢は境界線を行き来する女優になること」

テレビとスクリーンを行き来して明るい魅力で愛されてきたパク・シネが信念を持つ弁護士としてスクリーンの扉を再び叩いた。パク・シネは裁判が進むほどに事件のきっかけに向き合って混乱に陥ることになる人物を一層成熟した演技で表現した。
映画『沈黙』はフィアンセが殺害されてその容疑者に自身の娘が挙げられて、娘の無罪を証明するために自分だけの方式で事件を追う男イム・テサン(チェ・ミンシク)の物語を描いた作品だ。
パク・シネは「チェ・ヒジョンは事件が流れるにつれ感情変化が多い人物だ。チョン・ジウ監督と多くの対話をして、私の中にある見慣れない姿を発見しようとした」と語った。
「『沈黙』を通じて少しは自信がついた」と話したパク・シネは、正直に言うと撮影中はプレッシャーが大きかったという。映画では見慣れた顔でないという点の他にも、自身が主演を務めるには至らないという気がして心配が多かったと明かした。
しかし自らの限界を破りたかったパク・シネは挑戦し、そして成しとげた。「私が至らなくても先輩にぶつかるシーンで俳優対俳優としてどうにか勝ち抜かなければならないと思った。現場に対する欲がますます湧いてきた。

『沈黙』を通じて自身の中の見慣れない姿を引き出そうと考えたパク・シネは、今まで見せた明るいキャンディ・キャンディ型のキャラクターとは違う現実的な人物だったため惹かれたという。チョン・ジウ監督は「チェ・ヒジョン弁護士はプライドがあり正しくて心が温かい人物だ。女優パク・シネもそのような人なので、役に適合すると思った」という意見を伝えた。何より微妙な感情ラインを見せる人物でパク・シネには新しい挑戦だったと語った。“観客のために残す演技”が何なのかを知った。
「以前は力がたくさん入った溌剌として元気なイメージを見せたが、『沈黙』では力が抜けたような演技を見せることができそうだった。ドラマで演技をする時は感情を正確に表現したが、今度は押しに押して圧縮させなければならなかった。微妙な感情はずっと持ち続けなければならない人物だった。表現できずに胸中に感情を押さえ込んで押さえ込んでやむを得ず出てくる姿が必要だった。本当に繊細さの果てにチョン・ジウ監督の助けが大きかった。私がヒジョンの感情を理解できるようにたくさん言葉を交わした。ドラマと映画をする監督は普通の男たちより繊細さを持っておられるようだ。小さな感情ひとつで微妙なドラマを読みだす人なのではないか。監督は俳優を見守って観察されるのが卓越していて鋭利なようだ。」
映画『沈黙』を語るには、劇を導いていくチェ・ミンシクに対する硬い信頼から集まったスタッフと俳優は取り除くことはできない。パク・シネもやはりチェ・ミンシクという俳優に対する信頼が彼女を『沈黙』へ強力に導いたという。
「チェ・ミンシク先輩と共に演技をする機会を逃したくありませんでした」と話したパク・シネの顔からは笑顔が絶えなかった。常に現場へ早く来て後輩を気遣うチェ・ミンシクを見て、俳優が持たねばならない徳もまた習った。チェ・ミンシクの他にも俳優イ・ハヌィ、イ・スギョン、リュ・ジュンヨル、パク・ヘジュン、チョ・ハンチョルなど全ての人々が彼女にとって良い刺激になった。
「初めにチェ・ミンシク先輩と作業をすると言われた時、ものすごく緊張した。私が先輩のそばでできるのだろうか?とまず心配が先に襲ったが、先輩が気楽に接して下さって感謝した。現場でどのようにすれば俳優が楽しめるのか、演技をどうすべきかなどを一つひとつ一生懸命見せて下さった。楽しく話して緊張を解きほぐして下さったが、驚くべきことは俳優間の息を全て見ていらっしゃった点だった。
「撮影現場は楽しかったが、私にとってはただの遊び場のようなことはなかった。皆演技がとても上手な方々だ。その中でやろうとすれば緊張もして萎縮もした。とても力んでしまって、力を抜いて自由にするまで待つ時間が必要だった。自然な演技をするまで、かなり時間がかかった。」
2003年にSBS『天国の階段』で役者の道に入ったパク・シネは、第11回SBS演技大賞子役賞を受賞して名前を知らせた。その後『相続者たち』『ピノキオ』に続き『ドクターズ』まで出演する作品ごとに話題を生んだパク・シネは韓流スターとして良く知られている。
彼女は派手だったり可愛く装った20代の女優ではなく、映画俳優としてキャリアを広げたいという願いをやはり隠さなかった。 実際に『シラノ・エージェンシー(恋愛操作団: シラノ)』(2010)、『7番房の奇跡』(2013) 、『愛のジャンケン』(2013)、『尚衣院』(2014)、『The Beauty Inside』(2015)、『兄貴』(2016)等で着実に映画出演をしてきた彼女だ。境界線をよく行き来する女優パク・シネの次の行動を期待させる。
「広告に出てくる美しいイメージの女優あるいは韓流スターとしてだけで記憶されたくはない。ドラマと映画の境界線をうまく行き来する女優になりたい。私は実際にはとても気さくで、むしろな大ざっぱな面もある。活動的なものも好きで、不正を見ると我慢できない性格だ。このような姿を見て『意外だ』と話す方々もいらっしゃる。良い刺激になった『沈黙』の俳優との作業で多くのことを習った。次回作は熱心に探している。また他の姿で訪ねたい。」