BIGBANGファン以外は楽しめるのか、観客の選択に注目

人気グループBIGBANGの10周年記念音楽ドキュメンタリー映画『BIGBANG MADE』が公開された。
G-DRAGON、SOL、T.O.P、D-LITE、V.I。5人の男がBIGBANGという名でデビューして10年を迎え、昨年から今年にかけて『MADE』という2ndワールドツアーコンサートを進めた。昨年4月25日のソウル体操競技場公演を皮切りに、今年3月6日まで13ヶ国32都市で約150万人のファンを熱狂させた340日間のワールドツアーコンサート。その長い旅路を収めた映画『BIGBANG MADE』がいよいよ登場した。
BIGBANGの所属事務所であるYGエンターテインメントは“スクリーンX”という新しい実験映像に挑戦した。スクリーンXは劇場の正面の他に両側の壁面もスクリーンに活用する世界初の“多面上映システム”だ。CJ CGVとKAISTがスクリーンXを共同開発し、国内外に合計218個の特許を出願した中で39件の登録を終えた。
『BIGBANG MADE』のスクリーンXバージョンを見れば、左右壁面からも多彩な映像があふれる。コンサート現場でファンがペンライトを持って盛り上がる姿が両側からも確認でき、SOLが歌を歌う映像が正面スクリーンに出てくる間、左側ではT.O.Pが真剣にラップを乗せていく。
映画は「BIGBANG WORLD TOUR 2015~2016 [MADE]」というイベントを中心にステージの上、ステージの裏、ステージの下でのBIGBANGを完全に表わして、生き生きと観客に伝えた。
この映画ではBIGBANGメンバーと10年間同じ釜の飯を食べて家族のようになってしまったスタッフの姿も写実的に描き出す。SOLのマネージャーがアメリカ・ロサンゼルスの真ん中で“バナナを焼いてきた事件(SOLはバナナを買ってきてくれと言ったが、マネージャーはバナナを焼いてきた)”ではわけもなく涙が流れ、「今は本当の“アーティスト”に成っていくようだ。考えもそうだし」というメイク担当の言葉に思わずうなずいてしまう。映画の終始BIGBANG メンバーがふざけあって、さらに悪口まで言う姿が何回も出てきたにも関わらずだ。
劇の転換点では、BIGBANGのワールドツアー本ステージを観賞できる。「BANG BANG BANG」を始め、断続的に繰り広げられたBIGBANGワールドツアー本公演シーンは観客の目と耳をひきつけた。ステージ規模、ステージ効果、ファンの反応、BIGBANGのステージパフォーマンス、生き生きとした音響など現場を写実的に具現化して、まるでコンサート会場に来ているような感じがした。
BIGBANGは舞台裏でもプロフェッショナルだった。公演前日にリハーサルを行いスタッフの間でコミュニケーションが完全に取りきれていないことを発見して腹を立てた。腹を立てた理由は単純ではなかった。スタッフの間でコミュニケーションが不足していると、誰かがケガをする事故が起きる可能性があること、お金を払って公演を観に来る観客を失望させられないなどの理由からだった。これと関連してメンバー各自の素直な姿を現わした映像が印象的だ。
「ファンの方々はバカではありません。面白い公演を観たいでしょう、つまらない公演を観たいわけではないでしょう。」(T.O.P)
「少しの間気まずくなるのが嫌で(スタッフに)叱責しなければ、(公演に問題が発生して)一生後悔するから…」(D-LITE)
「本当に数年を待って下さりついに観にいらっしゃるのだから、公演以外でももう少しできる部分をお見せしたいのが僕たちの気持ちで…」(G-DRAGON)
ステージを降りたBIGBANGの人間味あふれる姿もそっくり収められた。ステージから降りたBIGBANGはあまりにも気さくだった。T.O.PがV.Iのシャワーシーンを激写すると、写真を消して欲しいと小競り合いが起きた。SOLはT.O.Pがトイレで用を足すのを動画で撮影し、T.O.Pには怒りを、V.Iには喜びを与えた。
T.O.Pが動画を撮られて怒る姿は“リアル”そのものだった。T.O.PはV.Iに青筋をたてて大声で怒鳴り、罵声も浴びせた。V.IはT.O.Pを避け、腹が立ったT.O.Pを見る周囲の人々は喜んだ。
G-DRAGONは自身がタトゥーを入れる事を母が嫌がる。彼は母がこれ以上タトゥーは入れるなと送ったメッセージを周辺の人々に読むかと思えば、タトゥーをさらに彫った事が母にバレていないと自慢して子どものように喜んだ。
このように『BIGBANG MADE』には普通の20代と同じく茶目っ気溢れるBIGBANG、スーパースターの前に誰かの息子であるBIGBANGの飾らない姿が自然に溶け合っていた。
『BIGBANG MADE』はBIGBANGから始まり、BIGBANGで終わる映画。BIGBANGをただ収めた映画だ。人気アイドル BIGBANG、ワールドスターBIGBANGのドキュメンタリー映画が作られたという消息を聞けば、誰でも乗り気になるだろう。ところが果たしてBIGBANGファンではない一般大衆にも有料で観覧するほど魅力的な映画だろうかと考えた時、疑問と物足りなさがある。観客の選択に関心が傾く。