A pink、満開に咲いた桜のような少女たち

今ガールズグループが全盛期を迎えている。

このようにガールズグループが溢れかえる中、A pinkは少し違っている。彼女たちは、桜の中に囲まれた、お花見をしにきた少女のようだ。薄いメイクやキュートな微笑み、そして勇気をくれる希望的な歌詞がそう思わせる。A pinkは最初から清純なイメージを打ち出し、今もそのコンセプトを維持している。

それが彼女たちの白く透明な色であり、特徴だ。か弱い少女のようだが、愛を語る歌詞の中には意外にも「私があなたを守ってあげる」というような大胆な面も見られる。活き活きと大胆、そのあたりだ。

2011年4月「モルラヨ(I don’t know)」でデビューしたA pinkは、その年の11月に、「My My」で初めて1位を獲得した。その後、韓国最高のガールズグループの隊列に堂々とのぼり”清純ガールズグループも十分成功できる”という新たな道を開いた。2013年には彼女たちの代表曲である「NoNoNo」で地上波1位を獲得、2014年の「Mr.Chu」と「LUV」までヒットを連発し、似ているけど違う、いつも素敵な姿でファンを喜ばせた。

A pinkがこれまでに発売したアルバムは、ほとんど構成が似ている。やはり”清純”から逸れていない。タイトル曲だけでなく、収録曲も清純で美しく、聞けば桜が満開した道路の真ん中を歩くような感じを受ける。A pinkが自分だけの色をしっかりと作ってきたおかげだ。

そして、A pinkの長所の1つである”歌唱力”は、その愛らしさをより一層極大化させる。6人で構成されたA pinkのボーカルは、似ているけれど色がすべて異なっている。だから同じ歌詞を歌っても伝える感じがすべて違っている。

最近まで活動していた「LUV」を見ただけでもわかる。メインボーカルチョン・ウンジの力強く切ない声の「覚えてますか、私たち一緒にいた時間LOVE luv」と、少し弱めだが覚えていてほしいと願っているようなパク・チョロンの「覚えてますか、私たち一緒にいた時間LOVE luv」は、全く違う感じを受ける(いずれも韓国語の歌詞を直訳した意味)。

このように、メインボーカルであるチョン・ウンジを筆頭にした曲がほとんどだが、かといって他のメンバーの音色や魅力が不足しているわけではない。女の子らしさを前面に出した声は、メンバーごとに魅力が異なっている。すべての曲が清純で、愛らしい。一見似ているにもかかわらず、A pinkの歌が愛される理由はここにあると考えられる。

また、A pinkの歌は弱いわけではない。むしろ強いと感じることもある。愛に恥ずかしく不慣れだが、その中に勇気と信頼がある。健全な少女たちが伝える愛のメッセージは、リスナーを陽気な雰囲気にさせてくれる。音源チャートで”ロングラン”することができたのもそのおかげだ。

2014年の韓国歌謡界は、衣装やメイク、振り付けなど、さまざまな要素をすべて”セクシーさ”のみでアピールするガールズグループが溢れていた年だった。そのようなガールズグループが多い中で彼女たちは自分たちの位置を守って固め、最近デビューしているいくつかの後輩ガールズグループに、セクシーではなく清純な可愛い姿で出てもいいという道を切り開いた。

このように影響力を持ったA pinkが、今後どんな曲でどんな姿を見せてくれるのか、さらなる期待が高まっている。最近雨が続いている韓国だが、雨が止んだら満開になった桜の間を歩きながら、彼女たちの歌を聞いてみるのはどうだろうか。