「歌手は僕が本当に愛している仕事」

俳優がバラエティに出て、モデルが演技をする時代だ。

領域の境界は崩れて久しい。しかし、ほとんどのマルチスターには相変わらず「歌手出身」「モデル出身」などの肩書がついて回る。肩書は作品が人気を得たとしても消えない。それを剥がす方法は唯一、実力を証明するということだ。

ソ・イングクは、過去6年の間に「関門」を二度も通過した。彼は2009年にオーディション番組「スーパースターK」で優勝し、一般人から一瞬にしてスターになった。プロ歌手の世界に進出したソ・イングク。彼は「呼ぶよ」「愛してるU」などで音源チャート1位にあがり、実力を証明した。

その歌手としての地位を固める頃第二の道に入った。「デビューして2・3年ぐらいの時、第2の思春期が来ました。人生に対して悩みが多くなりました。将来がとても怖かったですね。すごく大変だった時に演技をしたのですが、おかげで良くなりました。溜まっていた感情が演技を通して間接的に解消されました。」

俳優ソ・イングクの第一歩は、ドラマ『ラブレイン』(2012年)の助演だった。彼は蔚山(ウルサン)出身らしく、方言を活かしたセリフと安定した演技力で好評を博した。以後、『応答せよ1997』(2012年)『マイ・ラブリー・ブラザーズ』(2013)と『主君の太陽』(2013)などのケーブルや地上波のドラマで活動した。経験を積めば積むほどその活動の幅も広がった。オーディション番組でオールラウンドを通過した時のように、演技の舞台は大きく華やかになった。

続いてKBS 2TV『王の顔』のメインを担った。これまで演技力についての論議は一度もなかったソ・イングクだったが、懸念の視線を避けることはできなかった。初めての史劇ということに加え、彼が引き受けた光海君役はすでに多くの作品で扱われている人物だったからだ。

「光海の魅力に夢中になりました。光海は、一人の人間の多様な姿を見せることができる機会でした。光栄でした。僕は作品を選択する時、”キャラクターの多様性”が重要だと考えています。撮影を控えて、個人的にはストレスを受けたりしました。視聴者が色眼鏡をかけて見るのではないかと心配になりました。それでも僕に対するみんなの期待に応えるために最善を尽くしました。」

俳優の道に精進しながらも「歌手ソ・イングク」を忘れなかった。合間を縫って出演作のOSTに参加し、デジタル音源を出した。2013年には初の単独コンサートを開いてファンたちに会った。ソ・イングクは「常に歌手として渇きを感じる。歌手は僕が本当に愛している仕事」と愛情を表わした。

彼は今回、日本で初めてアルバムを発表した。「僕が直接作詞作曲した曲が収録されていて自分なりに満足のいくアルバム」と表現した。では、韓国でのアルバム発売はいつ頃出るのか。「これからは時期に追われずに、本当の僕の話をしたいです。『王の顔』をやる前に、所属事務所の代表に『僕の感性をたくさん作れた時にアルバムを作りたい』と言いました。どのくらいかかるかは分かりません。僕は作曲家のように邁進するタイプではないんですよ。ハハ」